彼岸花とごん狐のふるさと

2キロに渡って彼岸花が咲いているという新聞の記事を見つけて見に行ってきたわhttp://i.gree.jp/img/com/icon/242.gif
家から車で30分ちょっとの所に流れている矢勝川の堤防沿いに咲いていましたhttp://i.gree.jp/img/com/icon/026.gif

ここは、童話「ごん狐」を書いた新美南吉のふるさとで、この川沿いをよく散策して いたんだそうですhttp://i.gree.jp/img/com/icon/219.gif
平成2年に1人の人が彼岸花を植え始めたのが始まりで、少しずつ手伝う人が増えてい き今では100万本を超えたんだってhttp://i.gree.jp/img/com/icon/010.gif
絨毯のような彼岸花の赤と、稲穂の黄緑がとてもキレイだったhttp://i.gree.jp/img/com/icon/146.gif
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「矢勝川の環境を守る会」という方達が案内や説明をしてくれて、いろんなお話を聞 くこともできたのhttp://i.gree.jp/img/com/icon/004.gif
小さい頃から、私は花火みたいな花だなぁと思っていたんだけど、実は日本の花では 無く中国から来たんですってhttp://i.gree.jp/img/com/icon/024.gif
秋の彼岸のころに咲くから彼岸花と認識してたけど、墓花・死人花・地獄花と悪いイ メージを連想させる呼び名があったり、かと思うと極楽花という呼び名もあるんだそ うです
地獄にも極楽にも例えられるなんて、不思議な花だよねhttp://i.gree.jp/img/com/icon/028.gif

彼岸花と呼ばれる由来の中には「食べると、死んでしまうから(彼岸へ行ってしまう )」というのもあるんだそうです
有毒で特に茎に多く含まれるリコリンによって、間違えて食べると死んでしまう事も あるんだってhttp://i.gree.jp/img/com/icon/274.gif
しかし、飢饉の際などには水にさらして食べたりもしていたんだそうよ


所々に狐のオブジェがあって、ちびっ子に大人気だったわ
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ごん狐に出てくる兵十がうなぎを捕っていた川も、ここがモデルなんだそうよhttp://i.gree.jp/img/com/icon/271.gif
後ろに見えているのが、ごん狐の由来の権現山(ごんげやま)
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作者の事については何も知らなかったから、近くにある「新美南吉記念館」にも立ち 寄ってみたのhttp://i.gree.jp/img/com/icon/242.gif

作者は、4歳で母を亡くし、6歳のとき父親が再婚して継母を迎えました
継母に新しい子供が出来た時、友達のお母さんに
「あなたはもう要らない子。新しいお母さんに子供ができたからね」と言われたと日 記に残っていますhttp://i.gree.jp/img/com/icon/010.gif
大人が6歳の子供に言うことなのかhttp://i.gree.jp/img/com/icon/240.gifしかも他人が・・・http://i.gree.jp/img/com/icon/007.gif
そして8歳で養子に出されるとだけ書いてあったんだけど、家計図を見ていたら、養 子先は実のおじいちゃん(母親の父親)の再婚相手の所だったのhttp://i.gree.jp/img/com/icon/024.gif
家計図複雑すぎて、理解するのに少し時間がかかったわhttp://i.gree.jp/img/com/icon/236.gif

その時、既におじいちゃんは亡くなっていて、おじいちゃんと再婚相手との息子も亡 くなっていて、その嫁は出て行ってしまった後で、1人ぼっちになった義理のおばあ ちゃんの所に養子に行ったということなのですhttp://i.gree.jp/img/com/icon/024.gif
しかし、このおばあちゃん、夫と息子に先立たれ、嫁に逃げられ、心を閉ざしてしま っていた人だったんですって
人里はなれた山の中で寂しく育ったんだそうですhttp://i.gree.jp/img/com/icon/014.gif

そんな彼は14歳から童話を書き始めていたんですって
そして、実の母親と同じく体が弱く29歳でこの世を去りましたhttp://i.gree.jp/img/com/icon/011.gif



彼岸花は赤だけだと思っていたけど、白い彼岸花も咲いていたわ
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そして、黄色の彼岸花
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私は「ごん狐」と「手袋をかいに」しか作品としては知らなかったけど、他にもいろ んな作品を残していたのねhttp://i.gree.jp/img/com/icon/153.gif
中でも特に気になったのは「でんでんむしの悲しみ」という作品

内容は・・・
ある日、でんでんむしは自分の背中の殻には悲しみがいっぱい詰まっている事に気づ きました
この悲しみをどうしたらよいのか?と悩んだでんでんむしは、友達に相談します
「殻の中には悲しみがいっぱいで、私はなんという不幸せ者なのか。もう生きてはい られません」
するとその友人は「あなたばかりではありません。私の殻の中にも悲しみがいっぱい 詰まっています」と言いました
解決できなかったでんでんむしは、別の友達を順々に周り相談しましたが、みんな答 えは同じでした
そして、でんでんむしは気づいたのです
悲しみは誰でも持っている物で、私だけではないのだと
「私は、私の悲しみを乗り越えていかなくてはいけない」と、それ以来嘆くのをやめ たのです
という話なの


内容よりも気になったのは原稿http://i.gree.jp/img/com/icon/197.gif
この作品だけ、全てカタカナだけで電報のように書かれていたのhttp://i.gree.jp/img/com/icon/153.gif
他の作品は、塗りつぶしたり、書き直したり、付け加えるたりと、いろんな修正箇所 が見てとれるんだけど、この話には修正箇所はほとんど無なくて、カタカナだけが並 んでいるのよhttp://i.gree.jp/img/com/icon/011.gif
しかも、タイトルがとても小さく書かれていたわ

この作品だけは、創造ではなく彼自身の悲しみを書いたから、修正する箇所なんて無 かったということだったのかしらhttp://i.gree.jp/img/com/icon/147.gif
内容だけでなく原稿そのものから彼の深い悲しみが伝わってくるようだったわhttp://i.gree.jp/img/com/icon/005.gif

この話にちなんで、こんなオブジェもありました
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6月に美智子様がいらしたようで、その時のパネルなども展示されていたわhttp://i.gree.jp/img/com/icon/074.gif

作者の事をいろいろ知ってから、また堤防に戻ってくると、夕日に照らされているせ いか彼岸花が来た時とは少し違うように見えました