耳から涼を

前から欲しかった風鈴をやっと買ったわ
実は、ある直接買いに行きたいとずっと思っていた工房があったんだけど、引越し直前にそこの工房が期間限定で出展するという情報が入ったの
やっと時間を作れたのは、引越し前日(^_^;)
出かけてる場合じゃないのはよく解っているんだけど、こんなチャンス2度とないかもしれないもん
 
ちゃんと職人さんが来ていて接客しながらガラスに絵を描いていらっしゃいました
職人さんの仕事って見ていて飽きないよねぇ
あまりにもずっと見ていたから、職人さんが手を止めて微笑まれてしまい我に返りました
980円の小さい物から2800円ぐらいの風鈴が所狭しと並んでいました
 

私が1番気になった風鈴には値段が書かれていなかったの
それって、高いってことよねと思いつつ、恐る恐る聞いてみたら
「あそれはねぇ・・・売り物じゃねーんだ。ごめんね」と
「ええ!!!見せておいて売り物じゃないなんて。じゃあ、直接工房に行けば買えますか」と聞いたら
「それは難しいなぁ。そういう柄は普段は書かないんだよね」と
 

そして、2番目に気に入った物を手にとって鳴らしてみたら音が高すぎ
在庫を聞いたら「それは・・・最後の1点だね」と
トホホ・・・
 

お客さんが居なくなった時に「1番気に入ったあの風鈴の音色聞かせて貰うだけならいいですか?」と聞いてみたの
凄くいい音で、更に惚れ込んじゃった
「どうしても売ってもらえないのですか」と聞いたら
暫く悩んで「じゃあ・・・6000円。これ色もたくさん使っている分、手間も時間もかかってんだよ」と
 
はい、そうでしょうとも
描いては乾かし描いては乾かしを何十回も繰りかえしたであろう事は、作品を見れば解ります
でも、風鈴に6000円はムリです
「高いですね・・・
 

それでも、どうしても欲しかったから、他の物も見て回ったわ
何回見て回っても、やっぱり気になるのは6000円の風鈴
思い切って買おうか、諦めるか、立ち尽くしたまま考えてたわ
その間、いろんなお客さんが来ては帰り、来ては帰りしたけど、私はまだ決断できずにいたの

すると、人が居なくなった時に「そんなに気に入ったの」と職人さんが・・・
「はい
 私、ガラス細工が好きでコレクションと言えるぐらい集めているんです
 なので、風鈴もガラスと決めているんです
 真鍮や鉄・陶器では嫌なんです
 
 実は、こちらの工房に直接買いに行こうとずっと思っていたんです
 明日、東京に引越すので買い物している場合じゃないんですが、臨時販売すると聞いてどうしても見たくて来たんです」
 
2番目に気に入った風鈴を鳴らしながら
「この風鈴の音、ちょっと高すぎるんです
 私は、ブランデーグラスの中の氷みたいに低めの心地いい音の風鈴が欲しいんです」

1番気にいった風鈴を指差し
「この風鈴の音色は、凄く良かったです
 
 それに、鳳凰の絵・・・私、中国茶が好きで茶器も揃えたりしているんですが、中国でも鳳凰は特別な存在で、おめでたい時にも使われる絵なので茶器にもよく使われているんです
 鳳凰とついた高級な中国茶もあるぐらいなんですよ
 だから、私にとってはとても親しみのある絵柄なんです
 
 この色も、私が一番住みたいと思っている沖縄の染物の紅型に使われる色と同じ色合いで、柄・色・音色、何もかもが私の欲しいと思う完璧な風鈴なんです
 
 でも、さすがに6000円は悩みます
 風鈴が欲しいとは常々言っていたので知ってはいますが、6000円はさすがに主人に驚かれてしまうかも・・・
 でも、こういうのって出会いでもありますよね
 やはり、買うべきなのかな」
と、興奮気味に一気に熱く語ってしまったの
 

そしたら
「そこまでこの風鈴を気に入ってもらったなら、職人としては売らない訳にはいかないね
 今日販売している商品よりも安くっていうのはムリだから、3000円ならどう?」と
 
何も交渉してないのに、一気に半額
欲しさのあまり、私は耳までおかしくなったのか
と、固まっていたら「3000円じゃ、だめかな?」と
 
まさか
ダメな訳などあるはずもない
手をあげて「買います」と答えました
こういう割り切りの良さが職人さんだよねぇ
くぅ~、カッコいいぜ
 

ただし条件がありました
「どこのお店で買ったかは絶対に言わないでね
 欲しいって言われても対応できないし、3000円で売ったってお母ちゃんにバレたら怒られちゃうから」と(笑)
この方、国からいくつもの賞をいただき、いくつもの肩書きを授与されてる方でもあるんです
そのような方にお目にかかり、話し、直接買うことが出来た事も感動でした
約束したので、肩書きやお名前、工房の名前などの情報は言えませんが、お気に入りの逸品が1つ増えました
 
風鈴が欲しいと思ってから、何年も経ってしまったけど、妥協しないでビビッとくる物に巡り合うまで我慢して良かった
 
引越しの片付けがほぼ落ち着いてきたからやっと飾れたんだけど、明日太陽の光を 浴びてキラキラ輝きながら心地よい音を発する所が早く見てみたいな
 
【表】
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【裏】
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