柴又散策~2~

いろいろ見学して、柴又帝釈天に戻ってきたわ
いよいよ、柴又散策のメイン

日蓮宗の寺院で、正式名称は「経栄山 題経寺」
帝釈天」というのは本来、仏教の守護神である天部の一つのことを指すらしいんだけど、日本では「帝釈天柴又帝釈天」と認識されているようです
当時、江戸の町では庚申信仰が盛んで「柴又に帝釈天が庚申の日に出現した」と江戸中に広まり、柴又の帝釈天として有名になったそうです
なので、いろんな所に干支にちなんだ彫り物や飾りが多く見られました
イメージ 1



男はつらいよ、をちゃんと見たことがない私でも
「わたくし生まれも育ちも葛飾柴又。帝釈天で産湯をつかい、姓は車、名は寅次郎、人呼んでフーテンの寅と発します」
というセリフはよく知っています
そして、その産湯としてつかったのがこの御神水のことなんだって
私は良く知らなかったんだけど、わざわざ遠方から御神水を汲みに来る方もいらっしゃるんだとか
なるほど・・・だから、この御神水に向かって拝んでいる方がいたのね
勉強になります
この御神水は、枯れたこともなく豊富な水量を維持しているんですって
イメージ 2
帝釈天の中には、庭園やギャラリーなどがあり、本殿から回廊を通って見てまわることができるの



本殿の中に入って彫刻ギャラリーに向かって歩いていくと、素晴らしい彫刻が目に入ってきたわ
細かい彫刻と、立体感がすごくて見入ってしまったよ
イメージ 3
たくさんの龍が、木の骨組みから飛び出して来たかのような躍動感
これだけでも感動だったのに、彫刻ギャラリーにはもっと細かい物がたくさん並んでいたわ



法華経に説かれる代表的な説話10話を選んで、彫刻で表現したものが並んでいたの

これは「慈雨等潤の図」(以下解説)
佛の慈悲深い教えは、あまねく地上を潤す慈悲と同じです。
今、雷神と風神が現れて雨をふらし、大地には緑があふれ、さまざまな花々が咲きほこります。
天人たちも地上の楽園に舞いおりてきました。
イメージ 4

法華経の説話すら知らなかった私は、10話全てゆっくり鑑賞させていただきました
まるで住職さんの説法を聞いた後のような、心が洗われた感覚に陥りました
写真では伝わらないけど、今にも動き出しそうなほどの彫刻だったの



なのに
壁に掛かっていた木画を見たら、帝釈天様がこんなダークだったとは
「祈願によって帝釈天が出現し、ご神水が湧き出る様子」が描かれています
私には、パラパラ漫画でおなじみの鉄拳にしか見えません
あぁ、ついさっきまで心が洗われ穏やかだったのに、笑いが止まらなくなってしまって困った
イメージ 5



屋根に近い上の方に龍がたくさんいたけど、下の方にもたくさんいたわ
建物を支えるような構図のせいか「お、重たい・・・」とじっと耐えているように見えます
イメージ 6
近くでよーく見てみると、口の中に朱色が残っていました
もしかして、元々は全ての龍の口に色がついていたのかな?



続いてお庭「邃溪園」へ
庭を囲むように作られている回廊から、大客殿を見たところ
大客殿は、昭和10年に完成し、建築150坪、総桧作りで材料を厳選して造られ、
東京都選定歴史的建造物に指定されているそうです
ここに住んでいる鯉や亀は、かなり動きが激しかったわ
トンボも飛んでいたんだけど、仲良く追いかけっこするように飛んでいたり、生き物たちがとても生き生きしている印象が強く残りました
イメージ 7



横山大観筆の屏風「群猿遊戯図」
彫刻の下絵として描かれたものなのだそう
けど、横山大観の絵ではないという説もあるみたい
いずれにしても、彫刻を作る前にお亡くなりになり、この下絵だけが残されているんだってさ
イメージ 8



大客殿からお庭を見た所
無料の冷たいお茶があって助かったわ
とーっても静かで、落ち着く場所だったよ
このお庭は、昭和40年に向島の名庭師、永井楽山翁によって完成
戦前よりこの庭園を手掛け、92歳でお亡くなりになるまで心血をそそがれたんだろうです
イメージ 9
樹齢1500年の南天の床柱
日本一なんだって

水琴窟の音がするお守りを買って帰ったわ
鈴の音はちょっと耳にキーンとくる時があって、あまり好きじゃないから、鈴のついているものはあまり買わないんだけど、ガムランボールとかオルゴールボールは大好き
昔買ったガムランボールよりも、この水禁鈴の方が良い音がしたの
自分用に金色、おばあちゃんへのプレゼントに銀色にしたわ



最後にご飯
気づくと、おやつの時間になろうとしていたの
思いのほか柴又散策が楽しくて、ランチがこんな時間になっちゃった
うなぎも食べたいし、折角だから川魚も食べたいということで「川魚御膳」
鯉のあらい・鯉こく・うなぎ丼・お団子がセットになっているの
イメージ 10
あらいは、酢みその後にくる、身の引き締まった食感が楽しい
以前、会社のイベントで料亭で食べたあらいよりもずっと大きいし美味しかったよ
暑い時期のお酢はさっぱりしていいね~
鯉こくは、濃厚な味噌がビールに凄い合う
そして、うな丼に草団子まで

満腹で柴又を後にしました
都内に戻って居酒屋に入ったけど、満腹すぎてアルコールすらいつものように入っていかず、おとなしめな〆となりました
次は矢切の渡しに乗れるかチェックしてからこないと

私は、すっかり柴又好きになちゃった
浅草よりもずっと良かったの
今の浅草はキレイに整備されすぎちゃってね・・・もう浅草寺を歩く砂利の音を聞くことはできません
柴又はこのまま、昔の良さを残していって欲しいわ